「誰も教えてくれなかった「ふつうのお宅」の相続対策ABC」

税理士と弁護士が説明する相続税対策

「誰も教えてくれなかった「ふつうのお宅」の相続対策ABC」は、現役税理士と現役弁護士の二人が平成27年1月から施行されている相続税増税について実用的な知識を紹介する本です。

発行は2014年8月なのでちょっと古いですが、今読んでも十分にわかりやすく相続税対策の基本を知るために役立つ知識が満載です。

法律と会計のプロによる共著ということもあって話の内容もとても具体的で、身近な例としてどういったときに何が起るかということをわかりやすく示してくれています。

本のキャッチフレーズになっているのが「親が65歳以上になったら、自分が65歳以上になったら必ず読んでください」ということですが、法律を学ぶ学生や将来の相続に不安を感じている若い人にとってもおすすめです。

具体的な事件をもとに説明してくれているのが嬉しい

「誰も教えてくれなかった「ふつうのお宅」の相続対策ABC」の大きな特徴となっているのが、具体的なケースをもとに事例を紹介してくれているということです。

タイトルになっている「ふつうのお宅」ということからもわかるように、決して特別に裕福であったり資産が多いというわけではない家庭でいざ相続が発生した時にどういった問題が起こってくるかということを取り上げているので読んでいてとても身近な問題として感じることができます。

例えば「仲が良かったはずの兄弟なのに」といったことや「婚外子が相続する場合」や「離婚していると相続は大変」といったようなことは見出しを見ただけでも読みたくなってくるような内容です。

個人的にとてもためになったのが「いちばん親しい人に損をさせるのが相続」という項目で、日本における高齢者の問題や相続制度の穴について考えてしまいました。

詳しくは実際の著書を手にとってもらいたいですが、かいつまんで説明をすると介護や普段の生活で子供の中で一番親に対して世話をしているとより被相続人に寄与をした分が多いということで負担が多くなってしまうということです。

全く口も金も出して来なかったという相続人が一番得をするというケースもあるようなので、財産部分だけでなく生前どのように親と関わっていくかということを考えることも大切と言えます。

あまり構えずに読めるところもポイント

こちらの本はレビューなどを見ていくと、私のような法律の素人だけでなくプロとして相続に関わっている人からもよく読まれているということがわかります。

税理士と弁護士の共著というと最初は専門的な話から入るのかなと思ってしまいますが、実際には気軽な法律相談のような乗りで読み物として楽しむことができるようになっています。

この手の解説本にありがちな難しい条文の引用や計算式といったようなものもなく、さらりと今相続税はどういった運用方法がとられているかということを知ることができます。

逆に言うと具体的に自分の相続財産や税金がいくらになるかということを計算したいという人にとっては情報が不足する部分もあるようで、そういった目的で使用するには別の専門書の方がおすすめになります。