「相続専門」のプロだけが知っている相続から家族と資産を守る61のポイント」

相続コンサルタントが自らの事例をもとに説明

「「相続専門」のプロだけが知っている相続から家族と資産を守る61のポイント」は、相続コンサルタントとして実際の相談を1500件以上扱ってきた作者が書いた相続のための専門書です。

相続の相談現場では法律の知識だけでなく税制や不動産の価値について、さらに悩んでいる相続に関わる人達から情報を聞き出すというコミュニケーションの能力が必要になります。

そうした総合的なスキルを元にこれまで取り扱ってきたという事例をこの本では順番にわかりやすく書き記してくれています。

著者である毛利豪氏はコンサルタントですが、全国の相続相談を受けるために法律や会計の専門家とともに相続コンサルタントの団体を作り、「相続コンサルティングマスター」という名称で活動をされているそうです。

そのため表紙には著者名が団体名となっていますが、基本的には本の中では個人的な経験を元にわかりやすく内容が構成されています。

相続の現場で起こっている生々しい現実

他にも相続についての本はたくさん出版されていますが、私が個人的にこの本で面白いと思うのが実際の相談事例で起る人間関係のドラマがあるということです。

最初に「相続の相談では心理カウンセリングも必要」といったようなことを書かれているように、実際の相談の内容を見てみるとかなり人間同士のどろどろした感情のぶつかり合いがあることがわかります。

私個人この本を読んでいて法律的な知識というよりもむしろそうしたそれまでの人間関係が一気に変化してしまうような事例の方が読んでいてためになった気がします。

本のキャッチフレーズにも「相続が争続にならないよう」といった言葉が使用されていますが、それまで普通に接してきた家族同士がいきなりギスギスしたものになったり、自分勝手な主張をしだしたりといったようなことが細かく取り上げられています。

自分の家はこうはならないで欲しいとは思うところですが、実際のところ多額のお金がからんでくると本性が出やすくなってしまうのだろうと思ってしまいます。

少なくともそうした事例があるということがわかるだけでもこの本を読む大きな価値があると言えます。

争いを防ぐためにやっておきたいこと

この本では争いが起るケースを紹介するだけでなく、きちんと争いを回避しやすくする方法も提示してくれています。

具体的な特例の使い方や、不動産を使って行う相続対策について、さらに海外の国を使うことでできる対策などさすが実際の事例を扱ってきたコンサルタントだなというような切り口の方法が紹介されています。

特に読んでもらいたいのが第4章の「争いを防止する保険の活用法」で、生命保険をうまく使用していくことで節税対策や公平な財産分与をすることができるということを教えてくれています。

また空き家など不動産物件がある場合に先にやっておきたいことや、分割できない財産としておこりやすい争いのケースなども書かれていて一冊読み終わるとかなり相続に対しての不安がなくなります。